一度は行きたい世界遺産 延暦寺 World Heritage Site Enryakuji Temple Mt.Hiei

2020.07.20 (月)

一度は行きたい 世界遺産 延暦寺 歴史 World Heritage Site History of Enryakuji Temple Mt.Hiei

785年に最澄が草庵を結んだことにより始まる日本天台宗の総本山である延暦寺は滋賀県大津市の寺ですが、歴史的経緯からみると京都とのかかわりは大きいと言えます。1994年にユネスコの世界文化遺産に「古都京都の文化財」として登録された17の寺社・城郭の中で唯一京都府以外に所在地のあるのが延暦寺であることを考えればその重要性はわかると思います。

延暦寺を開いた最澄は遣唐使として唐に渡り天台教学を学び帰国後に天台宗を開きました。最澄が説く天台の思想は「すべてのものが菩薩(ぼさつ)であり、悟りが開ける」というもので、奈良仏教とは一線を画す形で独自の道を歩みました。その後独自に僧を要請するために必要な大乗戒檀(だいじょうかいだん)の設立が認められる様になると、延暦寺は日本仏教界のリーダー的存在になりました。

法然(ほうねん)=浄土宗、栄西(えいさい)=臨済宗(りんざいしゅう)、道元(どうげん)=曹洞宗(そうとうしゅう)、親鸞(しんらん)=浄土真宗、日蓮(にちれん)=日蓮宗など延暦寺では多くの名僧が学びました。「日本仏教の母山」として仰がれ、国宝的人材育成の学問と修行の場となりました。

延暦寺は平安京に近かったことから政治とのかかわりも深く、武装した僧兵が政権に圧力をかけることもしばしばで、戦国時代にはおだのぶながにより全山焼き打ちにあっています。その後豊臣家&徳川家の護持により復興を遂げ、現在に至っています。

一度は行きたい 世界遺産 延暦寺 みどころ World Heritage Site Sightseeing of Enryakuji Temple Mt.Hiei

延暦寺は、滋賀と京都の境にある標高848メートルの比叡山全域1700ヘクタールを境内として100を数える堂塔が存在しています。京都側からは叡山ケーブル・ロープウェイを利用して、滋賀側からは坂本ケーブルを利用してアクセス可能です。境内は中心に位置する東塔地域、西の西塔地域、北の横川地域の3つのエリアに区分されています。この3つのエリアを結ぶシャトルバスも運行されています。

東塔地域には総本堂の根本中堂をはじめ、大講堂や法華総持院東など重要な堂塔が集まっています。根本中堂には最澄の手による秘仏=薬師如来が祀られています。創建以来の「不滅の法灯」が絶えることなく灯り続けています。最澄は教えの中で「一隅を照らす人こそが国宝である」と説いています。「一隅を照らす」とは自分自身がその場所や立場でベストを尽くすことです。それぞれが役割や立場を果たすことで一人ひとりが輝き、誰もが幸せに過ごせる明るい世の中になるように最澄は願いました。

西塔地域には、最澄自作と言われる釈迦如来立像がある「釈迦堂」や、弁慶が法華堂(ほっけどう)と常行堂(じょうぎょうどう)を結ぶ渡り廊下を天秤棒(にないぼう)に見立てて担いだという伝説の残る「にない堂」や、最澄の御廟である浄土院があります。

横川(よかわ)地域には、自覚大師円仁によって開かれた横川中堂や、おみくじの創始者としても知られる慈恵(元三)大師良源が学問興隆に努めた元三大師堂や、「往生要集」(おうじょうようじゅう)を著し。浄土思想の礎を築いた恵心僧都源信(えしんそうずげんしん)が念仏三昧行を修した日本浄土信仰発祥の地でもある恵心堂があります。

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